「………えは、い………」 「?……なに?聞こえない」 あたしの声にピクッと反応した七瀬は、あたしから離れた。 「病室、帰るぞ」 「うん」 笑ってはいないけど、柔らかい表情でそういった七瀬は、やっぱり何かを抱えてる。 七瀬の背中をさする。 「なんだよ」 「無理すんなよな。歳なんだから」 「てめえ、じじい扱いするとはいい度胸じゃねえか」 「やんのかこら」 「……お前、もう女じゃねえな」 「うるさい。」