「お母さんはどうしていけばいいか、分かってるんじゃないんですか?」
「分かったようなこと………言ってんじゃないわよ………」
「そうです。何も知りませんあたしは。でも、人が自分から死んでいいことなんてないと思うんです。だから、家族がどうにかするしかないんだと思うんです。」
あたしは知らないよ。
誰が死んで良くて、
誰が死んで悪いかなんて。
そんなのあって欲しくないって思ってるだけ。
「じゃあ、失礼しました。佐崎くん、目を覚ましたら宜しくお伝えください。」
あたしは、そう言ってICUを出た。
あ、七瀬、七瀬のこと忘れてた。

