PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]






「質問替えますね。子供はなんで死のうと思ったと思いますか?」



「知らないわよそんなの。」



「お母さんは分かってるはずだと思いますけど?」



「知らないわ。ていうか、そのお母さんっていうのやめてくれない?」



「お母さんはお母さんです。佐崎を産んだ、一人だけのお母さんです。代わりなんていないんです。………あなたの親はどんな人でしたか?」



「あたしの親?最低よ。二人して浮気して、離婚してあたしは施設に入れられたわ。4歳の頃だったかしら。」


「じゃあ、その最低のことを自分の子供にしているんですか?」



「あたしも、あの人たちと一緒ってことよ」



少し分かった気がする。




「じゃあ、なんで佐崎を施設に入れなかったんですか?」



「それは…………」



「手放せなかったんじゃないんですか?」



「………」



「心の底で、親と同じになりたくない。すがりついてくる子供を無理に手放すなんてできなかった。そんな中子供は自殺を図ろうとした。だったら、このまま目を覚まさないで。そうしたら、自分は楽になれる。そう思ってるんじゃないんですか?」



「………何よ……知ったようなこといって…」


「佐崎も苦しかったと思います。でも、お母さんも苦しかったんじゃないんですか?」


「あんた、大人のことからかうんじゃない」


「じゃあなんで泣いてるんですか」