PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




小学生の頃は施設から学校に通い、
なんの希望もなかった。


真っ白だった。


中学生の頃は喧嘩ばっかりして、
どうにか時間を潰してた。
何かをしていないと死にたくなるから。


真っ暗だった。




いつから変わったんだろう。


ううん、変わったんじゃない。


少し安心したんだ。



ここに来て、七瀬に会って。



同じ目をした、何かを抱えた七瀬。

似てる。そう思った。



そこから、
少しずつ考えられるようになって。



両親はなんであたしを殺さなかったのか。

なんで死ななきゃいけなかったのか。


二人は何も残してない。

分からない。


でも、あたしを殺さなかったのは、
少しでも大切だと、殺したくないと
思ってくれたから?


あたしに希望を持ちたかったから?


そうだとしたら、荷が重いよ。