PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




「お前、何サボって「助けて!」」




あたし、全然前見えてなかった。


涙で、ぼやけてた。




「助けて!救急車、救急車呼んで!………お願い」





あたしはまた走った。


校庭に。



すぐに見つかった。



男子生徒。



頭からは大量に血を流してて、肘がありえない方向に折られてて。



でもあたしはなりふり構わずに、仰向けにし、傷だらけの顔なんか気にしないで、肩を持ち上げた。



ハンカチを出して、傷に当てる。止まるはずもないけど。



「止まって………止まって………死ぬのなんか早いんだよ。止まって…………」