PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]





「ちょっと、いい?」



丁度、如月が七瀬に呼ばれて、
あたしから離れた時だった。


同じクラスの真部千波(マナベチナミ)と
佐岡みどり(サオカミドリ)に呼ばれ、
トイレに来た。


「前から思ってたんだけどさ、蒼山さんて、何様のつもり?」


「ヤクザの娘とかさ、暴走族だとかさ、言われてるけど、本当は何?まだそこまではいいけど、黎人と関わるのはやめてくれない?」



は?


の一言に尽きる。



「あたし、ヤクザの娘でも暴走族でもないよ。それに、如月から関わってきてるんだよ?それを振り切れって?如月を傷付けろって?」


「そんなこと、言ってないじゃない」


「じゃあ、なに?」


「目障りなの。だから、如月と話さないでいてくれればそれでいい。」