あたしは、髪に触れる手に優しく触れ、
そいつの顔を見て微笑み、ゆっくり頷く。
バンッ
顔を上げた瞬間、そいつの手を持ったまま背負い投げした。
アスファルトに勢い良く背中を
打ったそいつは痛がっていて、
声も出せないでいた。
肺が圧迫されたらしい。
スタスタとあとの二人に近づく。
「っなんだよ…俺らは手出してねえぞ…」
「うん、そうだね?でもさぁ」
あたしは一人の肩を持ち、
拳を思いっきり鳩尾に入れた。
そして耳元で
「一緒に遊んでたんだろ?同じだろ」
崩れたそいつを立ち上がらせ、
腹に膝蹴りした。
あたしはそいつを投げ捨て、
あとの一人に、視線をやる。

