「………なっちゃんは麻欧ちゃんのこと、どう思ってるの」
「どうだろうな。」
なっちゃんは、さっきの麻欧ちゃんと
同じように遠くを見た。
「好きなのか」
「そんなもんじゃねえな。」
否定されるかと思ってたのに、
斜め上をつかれ、
驚きのあまりなっちゃんを見た。
「ふ、お前反応いいな。あいつが笑うはずだ。」
「え、いや、そ、それってどういう……」
「そのまんまだ。」
だけどな、今のあいつのことは
どうとも思ってねえな。
そう続けたなっちゃん。
どういうことだか分からずに、
見つめていると
「まあ、今のあいつは迷ってる。あいつらしくない。だからそこに俺の気持ちはねえってことだ。まあ、お前には分かんねえか。じゃあな。」

