PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




「うざかった、よな。」


ごめん。
そう言って、
如月は自分の席に戻ろうとした。


「如月」



あたしは如月の腕を掴み、
屋上まで引っ張って歩いた。


「え、ちょ、麻欧ちゃん!?つーか力強っ」


屋上につき、如月の腕から手を離す。



「如月」


「?」


「あたし、如月のこと絶対好きにはならない。恋愛的な意味で。」


「ッ!」


明らかに落胆の表情を浮かべる如月。


「それに、仲良くなりたいとも思ってない」


「………俺の事、そんなに嫌いかぁ」


無理矢理笑う如月の目には、
涙が溜まってる。


「嫌いじゃないよ。いい人だと思う。でも、だからあたしは如月と関わりたくない。っていうか、誰とも関わりたくない。」


嫌いになって。


「今回は隣人になっちゃったから、関わりが出来ちゃったけど、今壊させてもらう。」



「麻欧ちゃん」



「ん?」



「誰とも関わりたくないって今言ったよね?」