いつか、ここから抜け出す?
考えたこともない。
でも七瀬は、そこからいつか
抜け出さないといけないんだって、
目で言ってる気がする。
だよな。
人に深入りしないとかいって、
なんだかんだ
人助けしたりしてんだもんな。
中途半端。
だっせー人間だな。あたし。
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「麻欧ちゃん。」
窓の外を眺めていたあたしに
声をかけるクラスメイト。
そんなの一人しかいない。
「なに?如月」
如月があたしに声をかけた瞬間に、
教室が静まる。
そうだよな。
クラスの人気者と、
得体のしれない奴が話してんだもんな。
「さっきからテンション低いけど、なっちゃんになんか言われた?」
きっと如月ぐらいだ。
テンション低いなんて分かるの。
傍から見れば、
あたしいつもテンション低いでしょ。

