PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




いつか、ここから抜け出す?

考えたこともない。



でも七瀬は、そこからいつか
抜け出さないといけないんだって、
目で言ってる気がする。



だよな。
人に深入りしないとかいって、
なんだかんだ
人助けしたりしてんだもんな。



中途半端。

だっせー人間だな。あたし。



____


______


_________



「麻欧ちゃん。」



窓の外を眺めていたあたしに
声をかけるクラスメイト。

そんなの一人しかいない。



「なに?如月」


如月があたしに声をかけた瞬間に、
教室が静まる。


そうだよな。


クラスの人気者と、
得体のしれない奴が話してんだもんな。



「さっきからテンション低いけど、なっちゃんになんか言われた?」


きっと如月ぐらいだ。

テンション低いなんて分かるの。

傍から見れば、
あたしいつもテンション低いでしょ。