PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




「なんだあれ」


「七瀬に敵意識持ったらしい」


「はあー?俺被害者だろこれ。どーにかしろ。」


「面倒臭い」


「お前相変わらずだな。」



「最低って言いたいんだろ。そんなの分かっ「相変わらず怖がりだ」」



「ッッ」




「まあ頑張れ」



そう言って校舎へ歩いていく七瀬。



『相変わらず怖がりだ』




それは人間関係を意味したもの。

七瀬とはここ数ヶ月、
約7ヶ月ほどしかいない。


他の教師と比べれば、居る時間は長いが。



それにしては、あたしのことを
昔から知ってるような目をしてる。



でも、探らない。


それさえも"深入り"を意味するから。



「怖がり、か」



自分は1人で
生きて行ける強さを持っている。
そう思ってる。


けど、如月と話していたときのように、
少し寂しさを感じるときがある。



それは弱さが少しでもあるってこと。

離れるとき苦しむから、近づかない。


それはイコール怖いってこと。