PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




「な、なんで笑うの」


「馬鹿だなーと思って。」



「は!?」



「ごめんごめん。悪い意味じゃない」



「いや、馬鹿に良い意味も悪い意味もないと思うけど!?」



一生懸命になってる如月が
おかしくて仕方がない。


いつぶりだろ、こんなに笑ったの。


あーあ。でもダメだな。


ここで線置かなきゃ。


離れるときに困る。



「お、なんだ。付き合うことになったのかー?」



出勤途中らしい七瀬と校門で会う。

低血圧の七瀬は欠伸をする。



その質問は困るぞ。
あたしからはなんて言ったらいいか、


「いいえ、フラれたんで。麻欧ちゃん、俺先行くね」


一瞬七瀬を睨んだように見えたが、
すぐにあたしに笑顔を向けて
歩いていった。