如月の気持ちに答える気なんて
サラサラない。



深入りする気も、
必要以上に仲良くする気も。




本当のあたしを知らない。


それだけの理由。


多分、ていうか、
絶対知ったら離れていく。



そんなこと考えてるとますます
七瀬はおかしいんだと思う。



「麻欧ちゃん?」


眉間にしわを寄せたあたしを
見つめる如月。



朝たまたま如月と同じ時間に家を出た。

『一緒に行こう』


そう言われて断る理由もなく、
一緒に登校してる。


「ん?」



「なんか考え事?」



「あーうん。ちょっとね。」