ピンポーン
インターホンを鳴らす。
親父と喧嘩して家を出てきて、
母さんが用意してくれたアパートに
住まわせてもらうことになった。
昔から親父とは仲が悪く、
いつも喧嘩ばっかしてた。
今は隣人さんに挨拶をしようとしている。
「隣に越してきたものです!」
すると、ガチャとドアが開き、
その瞬間に挨拶をしようとした。
「こんにち…って」
そこに居たのは麻欧ちゃんだった。
黒いVネックのTシャツにデニムの短パン。
シックなイメージ、そのまんま。
驚いたのは俺の名前を知っていたこと。
……と、笑ったこと。
すごく、素直な笑顔。
明るくて、ありがとうと言う言葉が
すっと入ってくる。
なんか、照れてしどろもどろになった。
別れを告げ、ドアが締まると、
鼓動が早まった。

