PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]







あたしは昇降口をあとにした。


はっ。


普段の言葉遣いしちゃった。

やばい。



あたしは恐る恐る如月の顔を見ると、
なんか不機嫌そうだった。




「…如月?」


「んっ、なに?」


「いや、機嫌悪そうだから」


「いや。さ。なんかいいなあ、と思って。」


「何が?」


苦笑いをする如月。



「なっちゃんの前で素だったでしょ。麻欧ちゃん」



「う、うん。」


「なんか、親戚とか?」


「ううん。」


「なら、もっと羨ましいかも。つか、妬ける」


「へ?」


切なそうな顔をする如月。


妬ける?誰に?



「俺、麻欧ちゃんのこと好きかも」


「…」



「ごめん。あんま、話したこともないのに。麻欧ちゃんのこと、あんま知らないくせに好きとか言って。でも、軽い気持ちじゃない。」




何を言ってるんだろう。
告白っていうのか。これは。



「俺、頑張る。俺のこと好きになんなくてもいいから、知ってくれないかな?」




知る、か。
あたし、
そこまで人に深入りしないからな。


そう言われると、知ろうって思える。




あたしはこくんと頷いて



「帰ろ?」



「ふはっ。ん。」



なんで笑われたのか
さっぱり分かんないんですけど。



まぁ、いっか。