「あーあ、でもクラスのパーティーなら早紀、今彼氏とかいないってことだな!」

どこまでも前向きなやつ。こういうとこ、尊敬する。



部活が終わり、外はすでに真っ暗。実結には先に帰るようにメールしておいた。

よし、行くか…俺は一人で気合いを入れ、校門をでた。

「いらっしゃいませー!彼女さんへのプレゼントですか?」

女ばかりの目がチカチカするような彩りの店。やっぱり、こういうとこ苦手だ。苦笑いしながら店から離れる。

はあ…どうするかな…とりあえず外に出よう。

道を歩いていくと露店が出ていた。商品を見てみるとアクセサリーやストラップが並んでいる。

「買ってくれたらおまけするよ。」

店のおじさんがひとつのストラップを指差しながら言った。

それは小さな銀色のハートが連なっているシンプルなもの。たしか実結の携帯は白だったよな。これあうかも。

「じゃあこれください。」

代金を払い、商品を受けとる。

とりあえずは買えたからよかった。あいつが喜んでくれるかはわかんないけど。

プレゼント買うだけなのにこんなに疲れるとは思わなかった。俺ってとことんこういうのに向いてない。

だけどあいつが笑ってくれるならそれもいいかなと思える。