「我が宿は温泉も沸いているんですよ。ぜひ入っていかれてください。」

温泉も!?

わぁー…楽しみ!

温泉なんて久しぶりだ。

「お二人は展望台に行かれるんですよね。今日は夜の十一時半ごろからペルセウス座流星群が見れるそうですよ。」

あ!それ、今朝のニュースでやってたやつだ。

たしか何十年かに一度の、すごく珍しい流星群なんだって。

ラッキーだな。

ますます楽しみになってきた。

そのあと、まずは颯と温泉に。

自慢のお湯だけあって、なんだか肌がつるつるになったみたい。

ゆっくりとお湯に浸かっていると頭がボーッとしてきた。

のぼせちゃうからでなきゃ…

脱衣場で宿の浴衣に着替え、髪を乾かし軽くまとめた。

外に出ると、火照った肌にひんやりとした空気が触れて気持ちいい。

颯…あっ、もうでてる!

「お待たせ!」

「ん、飲めよ。」

そう言って差し出されたのはペットボトルの水。