とりあえず、ボールとゴールがあればおもちゃなんか要らなかったし。

とことん我ながらバスケバカだ。

「別にいいよ。」

そう言うと不満そうに頬を膨らませて俺を見上げる実結。

「だって颯はあんなにかわいい髪飾りくれたんだよ!あたしもなにか贈り物したいんだもん!」

そんなこと、言われても…あれはお前の喜ぶ顔が見たかったんだし…

うわ…恥ずかしい。

「なんでもいいんだよ!…あ、あんまり高いものは無理だけど…」

…こういうとこ見たら、やっぱりからかいたくなる。

「じゃあ、今度の実力テストで数学の90点以上の答案。」

冗談のつもりで言ってみた。

「…数学で90点以上…うーん…うーん…」

かなり悩み始めた。

眉を寄せて、真剣に考え込む実結。

「冗談…」

「…わかった!!頑張ってみるね!数学で90点以上ね!」

気づいたときにはもう遅かった。

目が本気だ、こいつ。