早くー!いやいや、まだ心の準備がー!いや、やっぱり早くー!恥ずかしいよ!

颯の鼻があたしの鼻に少し当たった気がした。

待って!こういうときって唇は閉じとくの?それとも少し開いとくのかな?

ああ…!もう!わかんない!どうにでもなれ!

「っ…」

唇に何か温かくて柔らかいものが触れたかと思うと、一瞬で離れていった。

あれ…もう終わり?

そっと目を開けると、すごく顔を赤くした颯があたしを自分の胸のなに引き入れた。

「…颯…?今、キス…」

「…キス、した。」

恥ずかしくて、顔から火がでそう。だけど、すごく嬉しい気持ちが湧いてくる。

颯があたしを離して、かわりに手を繋がれる。

「帰ろっか?」

「うん!」

初めての、ファーストキスは満天の星空の下、大好きなひとと。

少しチョコレートの甘い味がしました。