絶対やせて貰います。


私はアルコールに弱かったからいつもはソフトドリンクしか頼まないようにしているけど、さすがに今日は素面だとキツイからアルコール控えめの甘いカクテルを頼むことにした。

二人はいつもの生ビール、料理はカンナちゃんがお勧めの品を適当に選んで注文してくれた。

飲み物が揃ったところでめでたい事柄じゃないからと乾杯を躊躇う二人に私が声を掛ける。

「二人とも忙しいのに来てくれてありがとう……こいは幸せ者です。乾杯!」

二人のジョッキにカクテルのロンググラスを軽く当てたら”カチリッ”とグラスが鳴る。

私の言葉を聞いていたカンナちゃんと飛鳥ちゃんは視線で会話をした後に

「「私も幸せ者です……乾杯」」そう返してくれた。

それから今日の集まりの本題である私の失恋について話をするのは、正直気が重い。

それでも二人にはやっぱり聞いて貰いたかったので、ゆっくりと話し始めた。

彼との付き合う切っ掛けですら仕組まれた救出劇だったこと。

デブは嫌いだと言われたこと。

本命はカンナちゃんだったこと。

私に人を見る目が全く無かったこと。

言葉を重ねる度に二人の眉間の皺は段々と深くなってゆく。

怒り心頭なのはその様子で十分に分かったけど、私が話し終えるまで口を挿まず黙ったまま最後まで聞いてくれた。