「場所を移りたいんですが、奥まった人目に付きにくい席に案内して貰えますか?」滅多に使われる事のない極上スマイルで店員さんを悩殺。

「わ…わかりました、直ぐにご案内します」

”ボン”と音がしそうな真っ赤な顔をした店員さんは急いで席を探しに行った。

暫くして席が無かったのか、カンナちゃんが声を掛けた若い店員さんは困り顔で厳めしい表情をした責任者らしい年長の男性と一緒に近付いてくるとカンナちゃんは先程よりも更に眩しい笑顔で二人を迎えた。

「お願いした席に案内して頂けますか?」

素知らぬ振りでそう言うカンナちゃんにこちらに向かって来た時に見せていた厳めしい表情は鳴りを潜めた年長者の男性は取っ手付けた笑顔でこう言った。

「佐藤君、直ぐにお客様を席にご案内して……」

こんな場面を何度も目にする度にカンナちゃんの凄さを実感する。

こうして私たちは人目を気にせずに会話をする事が可能な席を手に入れ再会を喜び合った。