カフェを後にした私は直ぐにカンナちゃんに連絡を入れた。

悠斗君と別れたことを簡単に話すと

「あすかには私が連絡入れるからこいはあすかの事務所の近くにある……
ほら、前に三人で入った居酒屋。そこに向って」

まるで約束をしていたかのように簡単に会う段取りが付く。

「でも突然だと飛鳥ちゃんも困るんじゃ…「あすかも必ず来るからこいは気にしなくていいの」

最後まで言い終わらないうちにカンナちゃんが言葉を被せて有無を言わせない。

ホントは今すぐにでも二人に会いたいから連絡したクセに「直ぐに会いたい」とは素直に言い出せない私の気持ちをカンナちゃんは知ってるんだ。

初めてのカレに浮かれて何も見えていなかった情けない胸の内を二人に聞いて欲しくて堪らなかったから、カンナちゃんの優しい声に涙腺が刺激されて涙が零れ落ちそうになるのを瞳に力を込めて持ち堪える。

声が震えそうになるのを聞かれないように「うん。わかった待ってる……」短い返事を返してスマホをタップした。