実は最近バイト先で知り合った人に告白されて”初カレ”ができました。

高橋悠斗君は別の大学に通う一つ年上の大学4年生。

彼はもちろん現在の私の姿しか知らないから”デブ”だった過去をいつか高校時代の写真を見せながら話さなきゃなとは思っているのにまだ話せていない。

「こいはこの後、高橋さんとデートなの?」

眉間に皺を寄せたアンナちゃんは同じ年なのに私の保護者みたい。

高校から大学3年の現在も私の面倒をみてくれているから、初めてのカレに浮かれ気味の私をとても心配している様子。

「うん」

親友のカンナちゃんとカレの悠斗君には仲良くなってもらいたい。

でもカンナちゃんは悠斗君のことをあまり良く思っていないのがその態度からありありと伝わってくるから無理強いは出来ないし、その理由も言って貰えないので今のところあまり三人で話す機会もない。

「週末は父と母が親戚の結婚式に泊りがけで外出するし、ことちゃんもバレー部の合宿で不在になるから家で手料理を食べてもらうつもり」

今日の予定をカンナちゃんに報告した時の私はお花畑をスキップしながら”ルンルン”と浮かれているような状態だった。

それとは対照的だったのがカンナちゃんの表情。

今まで見たことの無いほどに心配そうな顔をしていたのに、口にしたのは短く
「そう」の一言だけだった。