「吉田さん……今回の事は不測の事態だったので”すみません”としか言えませんし、私が小岩井君に付き纏うなんてことはありませんからご心配なく。
ですがカンナちゃんは吉田さんと違って友達思いの誠実な人なので侮辱した事は謝ってください。」
私が怒るとは思っていなかったのか?
三人が三様の驚いた表情を私に向ける。
「なっ…なによ、ホントの事言っただけじゃない」それでもまだ言い訳をする吉田さん。
「謝ってください」グイッと詰寄る私の姿に
「「おおーーこいが怒ってる」」驚きに声を揃えるカンナちゃんと飛鳥ちゃん。
「わっ分かったわよ……謝ればいいんでしょ?……悪かったわね」
悪かったとはちっとも思っていないと分かるあからさまな態度。
それでも一応謝罪の言葉は引き出せた、別に謝罪の言葉なんてカンナちゃんには必要なかったかも知れないけどね。
一人そんな思いにふけりながらカンナちゃんの様子を窺い見ると何やらスマホを操作中。
そしてそこから聞こえてきたのは吉田さんの声
『旭くんに親切にして貰ったからって、それを理由に付き纏うなんてことしないで頂戴ね』高飛車な物言いをする吉田さんの声が録音されていた。
「画像は良くないけど音声はバッチリだね!」飛鳥ちゃんと二人でニヤリと笑い合っているではないか。


