絶対やせて貰います。


二人の話を聞いた母の対応は早かった。

「飛鳥ちゃんは立って。こい……飛鳥ちゃんをソファーで横にさせて、こっちは食べ物の匂いがきついから」

さすがに経験者じゃないと悪阻の辛さは分からない、いつもは呑気な母がとてもカッコよく見えた瞬間だった。

「もう、あなたもしっかりしてください」

父はバシッと背中を平手で叩かれ気合を注入された為か正気を取り戻し、

弟に向ってテンプレ的な「おまえ、学生の分際で……」まで口にしたところで母の待ったが掛かった。

「不用意な発言は控えてくださいね。後から孫に知られたら嫌われますよ」

母のこの言葉は父から戦意を削ぐには十分だったみたいで、

そこから後は母の独壇場になる。

「明日にでも寿三郎と一緒に木村家にご挨拶に行ってください。ことは立って。木村家に連絡してきなさい」

全てを仕切り終えた母は、飛鳥ちゃんの様子を見に行ってしまった。