自分の思いは封印する。
これからも唯の友達として付き合って行く努力をしなくてはいけないのに、このシュチュエーションだと旭君が私を好きなんじゃないかって勘違いしてしまいたくなる。
ずっとこのままで居たい思いと、このままじゃダメって思いを行ったり来たりしながら……
旭君への思いを断ち切るために、そしてまともな思考でいるためにも二人の間に距離を置きたかった。
「旭君。離して……」両手に力を込め精一杯突っぱねる。
頭上では「はぁー」と旭君の深いタメ息が聞こえてきた。
「分かった。でも話が全部終わるまで逃げないって約束するならだけど……」考えを先読みされて仕方なく。
「逃げない。最後まで話を聞くから……」と同意すると少しだけ距離を取ってくれた旭君。
それでもその長い腕を伸ばせばいつでも私を掴まえられる距離でしかないけど……
「どこから話を始めよう……」考え込む旭君は私に何を伝えるつもりなのか?
全く検討も付かない。
それでもどんな話であっても最後まで聞こうと心を決めた。
「一年前。こいちゃんがダイエットを始めようと声をかけてくれた時、正直そんなに真剣に取り組むことになるとは自分でも思わなかったんだ……」
まぁー押しかけ指南役だった訳だしなぁーと納得する。
「それでもこいちゃんと一緒に過ごすうちにある計画を思い付いて自分なりに頑張ったよ」
旭君の頑張りは近くで見ていた私が一番分かっているつもりだし、その言葉には微塵の偽りもない。
「その計画を実行する目前だったのに……」
旭君は本当に悔しそうに恨めしそうに私の顔を見ているから思わず罪悪感が芽生えてしまう。
「ダイエット終了宣言を貰えたら、こいちゃんに好きだって言うつもりだったんだ……」
「えっ?」旭君が私を好き?うそー。今聞いた言葉が本当の事だとは到底思えない。
「でも気が変わった……」
『やっぱり……』そんな美味しい話そうそうある訳なかった。


