絶対やせて貰います。


「錦野さんだっけ?あなたってつくづく間の悪い人ね」坂口さんに「はぁー」と呆れたように言われても自分ではよく分からなくてきょとんした表情をしてしまう。

「私と小岩井君のこと。勘違いしてるのね……でも私、とっくに振られてるの……彼に」

あぁー何で私がこんなこと言わなきゃいけないのよ。プライドがズタズタとブツブツ言っている坂口さんは意外と良い人なのかも知れない。

「後藤くん。帰るよ」

下僕に命令を下す女王のように坂口さんが後藤君を呼んだことで初めて二人だけじゃなかったんだと理解する。

「恥を忍んで手本を見せたんだから……本番はしっかり決めろよ。後藤」旭君は苦笑しながら後藤にエールを送る。

「バッチリ決めるから任せとけ」

何をするのか分からないけど自信満々な後藤君は「こいちゃんのお蔭で俺、最高に幸せだよ」意味不明な発言をしたうえに、私の頬にキスしようとする。

その直前に後藤君の顔を鷲掴みして横に退けながら旭君は「慣れ慣れしく“こいちゃん”って呼ぶな後藤」と威嚇している。

「下心は無いよ。俺には最愛の女王様が居るからね」と坂口さんに向ってウインクする後藤君。

そんな彼にタメ息をつく女王様こと坂口さん。

「もう何度も言ったけど……付き合いは大学卒業までの限定だから。良い男が見つかったらサッサと鞍替えするからそのつもりで……」

結構な言われ方をしているのに関わらず、後藤君はどこ吹く風で全然気にしていないらしい。

案外このカップルは相性が良いのかも?そんな風に思えてくるから不思議。