もう直ぐ玄関という所で体が後ろに引き寄せられ、固い何かを背中に感じ唖然となる。
それは旭君の胸に背中から体当たりしたらしいと分かったけれど、体を回して確認しようにもガッチリと体を押さえられていて身動きが取れない。
「こいちゃん。勘違いしてるよね?」怒りを抑えた旭君の口調を聞いて体がビクッとすくみ上がる。
旭君はまるで”逃がさない”とでも言いたげに、後ろから両腕を回し私の両肩を掴まえているけど、私が何を勘違いしていると言いたいの?
「あの、邪魔してごめんなさい。帰るから旭君もう離して……」
小岩井家に来るまでの決意や先程見た光景に涙腺は既に崩壊しかかっている、でも此処で泣く訳にはいかない。
一刻も早く帰りたいのに、事もあろうに旭君は……
「絶対に離さない」と余計に力を入れて私を離してはくれなかった。
「どうして……そんな意地悪するの?」


