「この二人が純愛貫くとかマジ似合わないんだけど……」散々泣いた後の飛鳥ちゃんはザックリ毒を吐く。
「うるさいなー」カンナちゃんは照れ臭いのか?ツンと怒った振りした姿がいつもと違っていてとても可愛らしい。
その隣にはカンナちゃんを愛おしそうに見つめている遼君が居て、自分の好きな人にあんな表情をさせるカンナちゃんを心底羨ましく思いながら皆のやり取りを眺めていた。
「それにしても4人なのにどうしてこの席?」飛鳥ちゃんが私も不思議に思っていたことを尋ねたら
「もう直ぐ旭たちも来ることに……」
「あの、顔直してくるね」
椅子をガタンと言わせていきなり立ち上がる。
遼君の話を最後まで聞かないまま唖然とする3人を残し、私は脱兎の如くこの場から逃げ出した。
『うそー昨日の今日でまた旭君に会うの?無理無理無理……』
このまま家に帰ってしまいたい。
二人のお祝いの席なのに……カンナちゃんと遼君には申し訳ない気持ちで一杯になる。
でも本音は……やっぱり帰りたい。


