絶対やせて貰います。


「もし……二人がドラマのキャストだったら絵的に釣り合いが取れないかもね。

あれだけ身長差があったら二人を同じフレームに納めるのは容易じゃない」

堺さんの言葉が直ぐに理解できなくて「えっ?」って間の抜けた表情で彼の顔を横から仰ぎ見てしまった。

「だから……こいこちゃんと彼が釣り合わないって話。でもそれってそんなに気にすることかな?」

「うーん」と唸ったまま考え込むように顎に拳を当てて有名な彫像のようなポーズをとる堺さんは飄々としていて掴みどころがない。

『なんだか的外れ……な感が否めないなぁー』そんな思いで話しを聞いていたら……

まだ続きがあった。

「そんなことより……こいこちゃんの気持ちの方が大事じゃないかな?

こいこちゃんはこのまま彼に会えなくても平気?」

「わ、私は……」

真実は単純で簡単でそれでいて自分で認めるのは物凄く難しかった。

本当はこのまま旭君に会えなくなるなんて絶対に嫌だ……

旭君にお似合いの綺麗な女性が傍に居るのをただの友達として眺めているだけなんて……

本当は悲しくて切なくて、嫉妬の炎で一回焼かれてしまったかも知れない。

『鯉の丸焼きってあったかな?』

一遍にいろいろな感情の波に翻弄された私は、モヤモヤと整理の付かない心のままに突然の『ダイエット終了宣言』

一年前の決意を言い訳にして旭君に『さよなら』したつもりだったけど……

本当は告白して旭君に振られるのが怖かっただけの臆病者。

真実は単純で簡単。

『気が付かない振り』をしていた私は痛いところを堺さんに突かれてやっと目から鱗が剥がれ落ちた気がした。