「いや……俺の方こそ……ごめん」

堺さんが気まずそうにポツリ、ポツリと謝ってくれた後は何だか気まずくて……

お互いに黙り込んだまま立ち止まってしまった。

「そうタイミングよくチャンスが巡って来る訳もないか……」

「あの?」

「ごめん。ひとり言だよ」

堺さんの呟きは誰に聞かせるというより自分に言い聞かせているみたいで苦笑してるその顔が少し切なくて、それでも何か吹っ切れたようにも見える。

二人して無言でトボトボ歩いていたら家の近所にある動物の形をした遊具とベンチしかない猫の額ほどの小さな公園が見えてきた。

「こいこちゃん。ちょっと寄り道しよ」

その公園の側にたどり着いた時に堺さんがベンチにポスンと座ってしまったから、私もその隣に少し距離を置いて座った。

「それで……その誰にでも親切で優しい旭君とこいこちゃんは本当はどんな関係なの?」

まる本当のお兄さんが妹を心配して相談に乗ってくれてる。

そんな感じで聞かれたからか?

ただ胸に秘めた思いがただ溢れ出そうになっていたからなのか?

正直なところは自分でもよく分からなかったけれど、私は1年前から今日までに起こったことを掻い摘んで堺さんに話し始めた。