絶対やせて貰います。


大神さんが仕事を終えるまでフードコートでお茶をしながら待つ事になり場所を移すことに……

そこで旭君から一体何があったのか話を聞かせて貰う事になった。


***


店長を呼びに行った俺が目にしたのはサービスカウンター前で店長に詰寄る5人の小学生たち

1000円以上のお買い上げでお子様に絶大な人気を誇る怪獣ウォッチのキーホルダーを先着10名様にプレゼントしますと印刷された本日のチラシを店長に突き付けて

「「ウソつきー」」と叫んでいる。

「清水店長どうしました?」

俺が声を掛けながら近付いたら、清水店長はこれ幸いとばかりに

「旭……この子たちに上手く言って帰って貰って、それじゃ頼んだぞ」

「あっ逃げた……」

後を追い掛けようする子供たちを一先ず引き止めて事情を訊く。

「ちゃんとレシートもあるのに……」

「僕たちはちゃんと開店前から並んでたんだ」

「サービスカウンターに来た人、数えてたんだから間違いないよ」

「絶対にまだ残ってるよ」

「あの店長は嘘つきだ」

5人が一斉に喋り出すから全く要領得ない。

一番しっかりしてそうな子に代表して説明して貰って漸く理解する。

要は開店前から店の前に並んで待ち、条件を満たすべく買い物をしてレシート持ってサービスカウンターに交換に来たらまだ有るはずのノベルティグッズがないと言われたらしい。

彼らは事前にシミュレーションまでして軽くて値段が千円以上の品物を購入する事に決めていたと話す。

足の速い子が買い物してレシート持ってサービスカウンターに向かう。

足の遅い子は品物が何個交換されたかカウントする等、それぞれの役割分担をして挑んだそうだ。

それなのにまだ有る筈のノベルティグッズが無いと言われたのだから彼らの怒りが収まらずに騒ぎになったと分かった。