「眞子さんを此処に連れて来てくれた小岩井君のお母さんがイタリア料理を教えてくれるんです。
もし良かった一緒に習いに行きませんか?」
「そうなの?」
そう言ったきり思案顔の眞子さん。
食事制限があるのかも知れないのに、余計な誘いだったかな……
「私、和食は良く作るんだけど洋食とかはあんまり得意じゃないの
そうね、この機会に挑戦してみるわ」
「はぁー良かったー
指導して下さるマリアさんはとても明るくて素敵な女性なんです。
妊娠中の悩みとかも相談してみて下さい……って勝手にすみません」
「そんな事ない。
会ったばかりの私のこと真剣に考えてくれてとても嬉しいの
こいちゃんは……やっぱり優しい子ね」
「そ…そんな事ないですよ」
手放しで褒められると少々面映い。
笑顔の眞子さんが本心からそう言ってくれているのが分かるから私も照れ笑いを返し、今後の為に連絡先を交換した。


