絶対やせて貰います。


直ぐに店長さんを呼んで来ると思っていたのに……

旭君と店長さんはまだ現れないし、スマホを切って暫く経つのに眞子さんの旦那様も同様だ。

その間、私は眞子さんの話の聞き役に徹していた。

結婚してからも続けていた仕事を妊娠が分かった時に退職したらしく平日は暇を持て余していると話す。

「体力的に少し無理してでも仕事を続けた方が良かったかなって……」

8年間務めた会社を辞めた事を後悔しているようにも見えて、何と声を掛けたら良いのか分からずに唯話を聞いてあげる事しか出来ないのが歯痒い。

『他の人なら何て言ってあげるんだろう

そもそも妊娠した事の無い私がとやかく言える立場にないんだけど……

眞子さんに必要なのは、ちゃんと悩みを聞いてあげられて

適切な助言をしてあげられる人だよね』

そう考えながら話を聞いていて突然浮かんだのがマリアさんの顔。

マリアさんなら条件にピッタリ、きっと良いアドバイスをしてくれる気がする。

「眞子さん。イタリア料理は好きですか?」

「えっ……好きだけど何で?」

小首を傾げて何故ここでイタリア料理が出てくるの?

そう言いたげな眞子さん。