私と男性の会話が切っ掛けだったのかは分からない。

まだ顔色もまだ優れないままだったけど、彼女は意識をとり戻した。

ゆっくりと体を起こして知らない場所に居る事に戸惑いを隠せない様子。

「あの……良かったらこれ飲んでください」

暑い日はお手製のミネラルドリンクを持ち歩いている私はそれを飲んで貰う事にした。

「あっ…ありがとー」

訳が分からないという表情をしていたけれど、素直にドリンクを飲み始めた彼女は一息ついてホッとしたのだろう。

「これ、凄く飲み易くて美味しーい」

笑顔でそう言ってくれたから私も嬉しくなって思わず

「良かったら作り方お教えしますよ」彼女の笑顔に釣られて返事をしていた。

「ホント嬉しーい。でも私どうして此処に居るのかしら?」

おっとりとした物腰で漸く現状確認をする彼女にもう心配は要らないと安堵した。

それから先程男性に話したのとほぼ同じ内容の話を再びする事になった。