・・・なんて答えるのだろう。黙って答えを、待っていれば。垣添さんから、横にそれて私とかち合った瞳。


ゆったりと座ったまま、見つめられて。


その姿に、ドキっとしてしまう私は馬鹿だ。






すっと軽く息を吸った彼が、

ゆっくりと口を開く。

そして、彼は私を見たまま苦笑して。







「同じクラスになったこと無いよ。何の関わりも無かった。・・・ね?『矢野さん』」



質問をした垣添さんではなく、私を。真っ直ぐ、見つめる。私の反応を探るように。






「そっかぁー…。この学校、クラス多いもんね」




この答えを想定していたのか、すんなり納得した垣添さん。


彼はもう一度、笑みを浮かべると視線を残りの3人の方へと向けた。



逸らされても、私はその顔から、視線を外すことができなかった。しなかった。







「一言も喋らずに卒業する同級生とかたくさんいそう」




「顔見たことない人がいてもおかしくないよね、この多さじゃ」





・・・違うよ。