「…」

水野先輩と私は黙りながら歩く。


…新校舎に向かってるのかな?


「…!!」

いきなり水野先輩が反応した。

鬼がいたのかな?とか思ったけど、足音聞こえないし…

水野先輩は私の腕をとり、引っ張りながら走ってくれた。

「水野先「…」

先輩は振り返って、シーというジェスチャーをする。

私は従って、とりあえず先輩に任せた。




「もういいだろ。」


水野先輩は、新校舎の三階の一番はしの教室に入った。

「…水野先輩、何から逃げてたんですか??」

「『鬼』だ。」

「え?足音聞こえなかったじゃないですか」

「…奥原、馬鹿すぎる」

名前覚えててくれた…

じゃなくて、

「え?」

「全員、あんなコツコツいってる靴を履くと思うか?」

「…そっか」

あのコツコツゆう靴と、いわない靴があるしね…

「じゃあコツコツ靴の人、分かり易いね!!」

「ほんと馬鹿だな」

ガラッ

…あ…