「・・・・・・!」 他に誰もいなくなった砂浜で キミの姿を見失い 急にひとりで取り残されたような気分になったボクは 声に出して、キミの名前を呼ぼうとした。 けれど その、寸前で 「なによぉ」 ・・・と。 燃える赤の中から、いとも簡単に抜け出したキミに 「ちゃんと着いてきて。アタシ、方向音痴なんだからネ」 なんて、拗ねられて きゅっと、左手をあたたかい両手で握られたから・・・ キミの名前を呼ぶ代わりに ボクの唇からは、微笑みが洩れた。