「あら、おはよう。ジュリエット
今日は早いのね。」

「おはよう、アニー叔母さん」


ここに来て2週間。

今日からわたしの新しい学校生活も始まる。

新しい生活にそんなに乗り気ではない。
わたしは人と関わるのも喋るのも今ではおっくうになってしまった。


心の中にはずっと何かが渦巻いてる
ここにきてから耐えがたい後悔と、思い出しそうなもやもやに悩まされている




「どーした?ジュリエット。いつもみたいに沢山食べていいんだぞ。お前は体型気にしないんだから。」

大口あけてアニー叔母さんとティボルトは一緒になって笑う

「私だって体型気にするわよ!
....ただダイエットしてもやせないだ け!」


このふたりはそうやっていつもわたしを
ばかにする
わたしだって痩せたいけど、どんなにがんばっても体型は変わらない




恋をしたら綺麗になるとか失恋したら綺麗になるとかいうけれど、本当に変わるのかな、こんな私でも。



まだわたしには恋はわからない

でも恋かどうかは分からないけれど、
ティボルトには他の男の子とは違う感情があるの分かる。



もう少ししたらこれが恋に変わるのかな



そう思ったら頬があつくなってきた。
わたしは他のひとみたいに恋が出来ないのかもって思ってた


男の子とは上手く話せないし、今まで男の子も積極的に話しかけてくれなかった
上手くいくとかは別として、ただ恋なのかもしれないっていう気持ちが嬉しかった。





「…ぉーい、おーい!ジュリエット?大丈夫か?お前。」

気付いたらすぐ目の前にティボルトの顔があった。

「わっ!」

驚いてすこしさがってしまった


「そんな驚かなくてもいいだろ!」
すこし困惑した笑顔でティボルトは声を出して笑っていた

「ほら!今日から学校だろ!初日から遅れるなよ~」
そういって、食器を片付け始めた。



「…う、うん。」

すこし戸惑ってしまった
あんなにもティボルトの顔が近いのも初めてであんなにも綺麗な顔が目の前にあったら昔から知っていたとしてもすこしどぎまぎしてしまう




(「ティボルトの顔ってあんなに大人びてたんだ.....」)
想像しないようにするだけまた大好きなティボルトの笑顔が頭の中に浮かんでくる
それを振り払うように頬をすこしなでた。

まだ、すこし頬はあつい



「ジュリエットー !本当に今日遅れちゃうわよ」
いつのまにかアニー叔母さんは食器を洗い終わって、仕事の準備をしている。


「うん、ありがとう叔母さん。」


また新しく始まる学校生活に憂鬱になりながらも家を後にした。