部活見学で、私は吹奏楽部に行ってみた。
「いらっしゃい!」
まるでお店のように、明るい笑顔で向かい入れてくれた先輩。
一人一人に楽器の説明をして、吹かせてくれた。
tuba、trombone、trumpet、clarinet、flute…
なかでも私はfluteが吹いてみたかった。
「私、佐々木遥香、フルートだから、ヨロシクね?」
「はい!」
私より少し身長が小さい、三年生の遥香先輩、先輩は私に優しく、教えてくれた。
「大丈夫?クラクラしない?」
「大丈夫っっ…です」
正直ヤバイ、酸欠なりがちだった。
「本当にー?」
「は…はいっ」
でもクラクラしても酸欠になっても、
フルートを吹いているこの時間がなによりも楽しかった。
私は吹奏楽部に入部を決めた。
「はぁ…つかれたぁ…」
でもたのしい。辛くても楽しかった。
入部届けを先生に提出した。本格的に始まるのは一週間後。
「まつり!一緒に帰ろう?」
「ごめん!教室、樹とかえるから…」
「OK!がんばってね!」
まつりは少し顔を赤らめてから
「うん!ありがとう」
少し急ぐようにして帰っていった。
「一人かぁ…教室で、一人呟くと
「小林?なにしてんの?」
振り返るとキョトンとした顔でいる友樹くんがいた
ドキッ
胸が高鳴る。それと同時に顔が一気に火照っていった。
「いや、ちょっとね〜」
「小林一人?一緒に帰ろうよ。」
ドキッ
また大きく胸が高鳴る。
私は勇気を振り絞り、笑顔で
「うん!」と答えた。