ひとりかくれんぼ

今度はたくさんのサイトが出てきた。
最近のサイトもあった。
とりあえず、上からしらみつぶしに調べていくことにした。
書かれているのは、だいたい同じで、さっきの新聞の記事と同じ内容だった。

もっと情報はないかとさらに調べていくと、新聞の情報とは違うのが出てきた。
開いて見てみた。



19××年 ４月４日に行方不明になった、山田秋穂を探しています。

行方不明になる前に、友達とM中学校でかくれんぼをして遊んでいたそうです。

目撃した人や、心当たりのある人はお電話下さい。

×××-××××-××××



山田春子


｢春子って…、誰？｣
でも、山田と書いてあるから、秋穂ちゃんと関係はあるんだろうな…。

この人と話したら何かわかるかな？

｢ねえ、今度は春子って人が出てきた。もしかすると、電話とかしたら、何かわかるかもしれない。｣｢他にそのサイトに何か書かれてないか？｣
松田くんが言ったので、私はもう一度見直した。
すると、そこには住所も書かれてあった。

それに、都合のいいことに、住所は京都府と書かれてあった！

｢こ、これ。ここに行ったらもしかすると春子って人に会えるかも！｣
｢よし。それじゃあ、今からそこに行こう。皆、お金持ってるよな？｣
皆、その言葉に頷いた。
｢もう、お土産とかは諦めよう。そのお金でこの住所の場所に向かおう！｣


そして、私達は誰にも気づかれないように裏から外にでた。
そのまま道に出て、タクシーに乗った。

｢すみません。この住所の場所に向かってください。｣
｢君たち、修学旅行生じゃないのかい？｣

私は何もいう言葉がなかった。
｢はい、そう何ですけど、今は自由行動なんで…。｣松田くんがうまくフォローした。そのおかげで、何とか行くことができた。


しばらく見たこともない道を進んでいったところでタクシーは止まった。
｢着いたよ。気をつけてね｣

そう言って、タクシーの運転手はドアを開けた。
料金も特別に半額にしてくれたため、思ったより安く行けた。

タクシーを降りて、私達の目の前にあったのは、とても古そうな屋敷だった。

松田くんが恐る恐るチャイムを鳴らした。

すると、中からおばあさんが出てきた。
｢あなたたちは誰？｣
｢あの、山田春子さんですか？｣
｢はい。私がそうですよ？｣

どうやら、このおばあさんが山田春子さんのようだ。
｢山田秋穂さんについて聞きたい事があるんですけど…。｣
私が用件を言うと、
｢ごめんだけど、その話はしたくないの。帰ってちょうだい。｣
さっきとは違った雰囲気で春子さんが言ったのだ。
ここまできて帰るわけにはいかない。
｢私、【ひとりかくれんぼ】というのをさせられているんです。終わらせるには呪いを解かないといけないんです。山田秋穂さんは、それに関係しているんです。｣
私は必死に引き留めた。

春子さんは、ドアを閉めようとしていたが、その動きを止めた。
｢お願いします。教えてくれませんか。｣
松田くんが最後に一言いった。

｢わかったわ。あがって。｣

春子さんは、私達を屋敷の中に入れてくれた。



家の中はとてもきれいだが、どこか怖かった。
理由はわからないが。


春子さんは私達をソファに座らせてくれた。
「すみません、突然。あのー、できるだけで良いので、何か教えて下さい。」

「わかったわ。」

そう言うと、春子さんは椅子に座り、ゆっくり話し出した。