ひとりかくれんぼ

でも、もしかすると、何かヒントが見つかるかもしれない。


しばらくすると、お寺に着いた。

私はタクシーを待たせて、お寺に入った。


もしかすると、お寺のお坊さんが何か知っているかもしれない。

そう思ったからだ。


｢すみません。少し聞きたいことがあるんですが…｣
祐希くんが言うと、お坊さんが出てきた。

｢聞きたいこととは何ですか？｣


私は、奈津の呪いの事を話し、ここにその死体があるかもしれないと言った。


すると、

｢そういえば、私の祖父が、昔、この寺の庭に穴を掘っていた女の人がいたと聞いたことがあります。｣

｢それは、どこにですか？｣

そう言うと、｢ここです｣と言って、庭のまん中を指差した。

そこは、何だか、少し土の色が違っていた。

｢あの～…掘ってみても大丈夫ですか…？｣

私はダメもとで聞いてみた。
｢ええ、いいですよ。スコップを持ってきましょうか？｣

意外にも、あっさりと許可してくれた。しかも、スコップを持ってきてくれると言うのだ。

｢い、いいんですか？！｣
｢ええ、掘ったあとにまた元に戻してもらえれば。｣
｢ありがとうございます！！｣

私と祐希くんが言うと、スコップを取りに行った。

しばらくすると、スコップを二つ持ってきてくれた。

私と祐希くんは、それを受け取って、掘り始めた。


すると、結構浅いところで、何かに当たった。

私はスコップで器用に土をどかしていった。

すると、腕が出てきたのだ。異様な光景に、血の気が引いていくのがわかった。

私は、お坊さんに目でどうすればいいか尋ねた。

｢これは、私が成仏しておきましょう。｣

そう言い、袋でその腕を取った。

でも、200年も前に埋められたもののはずなのに、まるでついさっき切断されたみたいに生々しかった。