そのときだった。




ドン ドン ドン ドン

「開けてー。そこにいるんでしょ?もう、わかるよー。出てくるまで待ってるからね。」


ヤバイ。もう、逃げられない。でも、このまま開けられずに終われば大丈夫だ。


だけど、



ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン


怖いくらいにずっとドアを叩いている。

私はこらえられなかった。

耳を押さえたが、聞こえてくる。


声を出したいけど、出したら100%ここにいる事がわかってしまう。

そうすれば、力ずくでも開けようとするだろう。


私は必死にこらえた。

ずっとドアを叩く音が聞こえていたが、やがて、その音がやんだ。


「もう、飽きたから他のところに行くよ。」

私は少し安心した。


そして、倉庫からでようとした時、微かに笑い声が聞こえた。


まだ、外にいる!!


あれは、私を騙そうとして言ったのか!


もう少しで出てしまうところだった。


そして、私はまた倉庫の奥に座って、じっと待っていた。


でも、やっぱり怖かったので、私は倉庫の中の道具をドアの前に置いて、絶対に入ってこないようにした。

それに、ドアのところからじゃ私がいるのを確認できない状態にした。


そして、倉庫の一番奥で静かに座っていた。


ずっと待っていたけど、何も起こらず、私は段々うとうとしてきてしまった。


そして、目蓋を閉じると、すぐに寝てしまった。


こんな【ひとりかくれんぼ】の終わり方は初めてだった。