しばらくして、私達はロビーに行った。そして、先生達の目を盗んで外に出た。

外にはタクシーが待っていた。


とても風が強くて、歩くのもやっとだ。

私と菜子と紫音と神谷くんが後ろの席に。祐希くんは助手席に乗った。


後ろの席はギュウギュウで、座るのもやっとだった。

しかも、私の隣には菜子がいた。
ずっと、不敵な笑みを浮かべている。



怖い


外を見ていると、看板などが飛んでいた。
下手したら、当たる可能性もある。
そうすれば、怪我は当然だ。



その時だった。


「あっ…!!あ、きほ…!た、す…け…」

紫音がいきなり呻き出した。

「紫音!?どうしたの?!」

私は紫音に声をかけた。でも、それと同時に紫音は呻くのをやめて、ぴくりとも動かなくなった。

隣にいる神谷くんが脈をとった。

神谷くんはゆっくりと首を左右に振った。


紫音が…死んだ…



「お客様?!どうされましたか?!」
運転手さんが心配して呼びかけた。

「今、友達が死にました…。たぶん、呪いのせいです。」
「呪い?!」
「そのまま向かって下さい。」
「わ、わかりました。」

祐希くんが運転手さんの動揺を抑えた。

私は、昨日来ていた警察に連絡をした。
他の警察だったら、きっと私達を疑うだろうから。


警察に電話して、昨日来た警察に代わってくださいと言うと、「しばらくお待ちください」と言われた。

数分もしないうちにあの警察の声が聞こえてきた。

「はい。電話代わりました。」

「あの、この間ホテルに来てた人ですか?」

「ああ、そうだよ。もしかして、新野さんかな?」

「は、はい!そうです!」