でも、決めたけど、情報がないのには代わりがない。

ということは、もう、今まで聞いた情報に、答えがある可能性が高い。


私達は、ノートに知っている限りのことを書き留めた。


まず、ルールを知っている、そして山田秋穂の呪い、春子さんの話、M中学校のこと、かくれんぼ中に見つけたもの。


全て書くと、ノート4ページ分になった。

「じゃあ、まず、つながりそうなものを繋げよう!」
私達は、ノートに書かれている事の中で、特につながりそうなものを探した。

「うーん。全てにおいて繋がりそうなんだけどな…。」

神谷くんはわからないらしい。
でも、それは私も同じだ。全くわからない。

「まだ何かあるかもしれない。」
私はそう言った。もしかすると、まだかくれんぼの間に見つかるものはあるかもしれない。


「今日まで待って。今日で、絶対に見つけるから。」
私は友達の命もかかっていることもあって、力強く言った。

「だけど、もう、時間がない。明日には帰るんだぞ?」
「でも、これだけじゃ何もわからないよ…。」
「私は、秋穂を信じるよ。」

紫音が、明日、死ぬかもしれないのに、私を信じると言ったのだ。

私は、自分の責任の重大さを改めて思った。


その時、私はあることを思いついた。

「あの、提案なんだけど、たぶん、私が見つかれば皆助かると思う。」
「え?!でも、そうしたら、秋穂が死んじゃうじゃん!!」
「そうだよ!!やめろ、そんなこと。何か他に方法がある!それを探そう!!」
「でも、紫音が死んじゃうかもしれないんだよ?!友達が全員死ぬよりは、私が1人だけ死んで、皆が助かる方がいい!!」

私がそう言うと、皆黙りこんでしまった。
「でも、それは、最終手段にしよう…。それでもし、解決しなかったら、秋穂の死は、無駄になってしまう。」

祐希くんがそう言ったので、私はそうすることにした。

でも、一応、この作戦を説明した。

「まず、私はかくれんぼで、わざと見つかって、殺される。そうすると、たぶん、山田秋穂は、現実の世界に戻れると思うの。そうすれば、私が『鬼』になると思うから、現実の世界から消えると思う。そして、皆は、私が消えた後は、ひとりかくれんぼに関するサイトは全て消すの。そうすれば、きっと、【ひとりかくれんぼ】をする人はいなくなって、こんな事に巻き込まれる人はいなくなるってわけ。」

「わかった。最終手段は、その作戦でいこう。」

そう決めた時には、もう昼になっていた。

「皆、お腹空いてない?お昼ご飯、食べに行こうよ。今日くらい、修学旅行を楽しもう?」

私は笑顔で明るく振る舞いながら言った。
暗い気分でこの修学旅行を終わるのは悲しすぎる。

「そうだな。どっちにしろ、今日の【ひとりかくれんぼ】が来ないと何も分からないし、今日くらいは遊んでもいいんじゃないか?」
「じ、じゃあ、私は高い店に行きたいな…」

祐希くんと紫音が私の話に乗って来た。でも、神谷くんは放心状態で、菜子はやっぱりどこかをみている。

とりあえず、この2人も連れて行かないと…