昨日のひとりかくれんぼで、私はケータイ電話を見つけて、美希に電話した。

最初に取ったのが、美希だった…。
そのあと、皆が続々と来た。

そして、私は他の人としゃべってしまったのだ。

つまり、私はルールを破ったのだ。
ひとりかくれんぼのルールには、

この「かくれんぼ」は、「呪いのかくれんぼ」です。

1人でやらなければならない。


とあったはず。だから、昨日のかくれんぼの最後に、

「約束ヲ破ッタ」

と言っていたんだ。だとしたら、私としゃべった人は全員死んでしまうんじゃないか…?


だとしたら、次に死ぬのは、紫音だ。
私はそのことを先生に伝えた。


「私が狙われるの?!やだ。死にたくない!!」

紫音は泣きそうになっていた。
「なら、先生や、君たちで守ろう!そうすれば何とかなるかもしれない。」

私達は、何とかなるとは思えなかったけど、今はそう信じるしかなかった。

「とりあえず、君達は朝食を食べて来なさい。後は先生がやっておくから。」
「はい…」

私達はとても最悪な気分で食堂に向かった。

私の友達が1人、目の前で死んだ。それがとても悲しかった。

私は、食事中もずっと泣いていた。他の皆には気づかれないように。



そして、部屋に戻ると、美希の死体はなくなっていた。たぶん、先生がどこかに運んだんだろう…

私達の部屋はしばらく沈黙に包まれた。

その沈黙を破ったのは、まさかの人物だった。
「皆、おはよう。」

まるで、ロボットのような声で、菜子が言ったのだ。
それに、目もまるで死んでいる。
なんだか操られているみたいだ。

「な、菜子…?」
私は疑って聞いた。
「私だよ。」

やっぱり、何だか変だ。
でも、一つ問題は減った。菜子はおかしいけど…


そのあとは菜子は何もしゃべらなかった。私達がしゃべらなかったからだろう。

でも、誰かと話したい気分じゃなかった。とにかく、その時は1人になりたかった。

私は布団の中に潜り込んだ。もう一度寝たのだ。

夢は見なくて、普通に眠れた。

私が起きたのは、寝てから30分たってからだった。

「秋穂、もう、自由時間だって。どうするか話をしよう?」
明日の朝にはこのホテルを出るので、自由時間は今日だった。

色々あって、すっかり忘れていた。

でも、どこにも行きたくない。こもっていたい。

それか、呪いを解く方法を見つけたい。

私は先生の部屋に行った。
ケータイを返してもらうためだ。