私はただ、祈ってじっと静かにしていた。


絶対来ないで、絶対来ないで…


だけど、その願いを裏切る様にPC室を探し始めたのだ。

ガタン!


椅子を倒しながら机の中を調べている。

このままじゃ、確実に見つかる。
どうにかして逃げないと。

私が隠れている机は、後ろの方。だから、逃げるならまだ時間がある。

それに、ドアが後ろの方にあった。
あのドアから見つからない様に逃げれば助かる。


私は『鬼』の方を見た。『鬼』は一歩がゆっくりだ。

調べるのは速い。だって、ただ椅子を倒すだけでいいから。

でも、その一瞬で逃げれば。

可能性は極めて低い。でも、ただじっとして見つかるよりも、悪あがきをして見つかった方がいい。

私は隙を見て、ばっと飛び出した。

だけど、椅子の音も、足音もたてなかった。

そのおかげか、見つからずにすんだ。

そして、私がPC室を出た時だった。

「これで『かくれんぼ』を終わります。お疲れ様でした。」

私は安心した。

はあ…、やっと終わった…


また昨日みたいに眠気が襲ってきた。

私はそれに任せるように目をつむった。
その時、寝てしまう直前に、『鬼』の声が聞こえた。


「約束ヲ破ッタ。」

その言葉を聞いた瞬間、私は眠った。