ひとりかくれんぼ

それにしても、何だか今日のかくれんぼは長い気がする。

気のせいかな…?

「秋穂ー!大丈夫そうだったら、もっかい校舎を調べよう!」
「うん。今だったらたぶん、大丈夫だから、また家庭科室を出るよ。」

まだ少し怖かったけど、皆がいるなら大丈夫だった。
また勇気が出て来た。

私は生徒指導室にはもう、何もないと思い、次の教室に進んだ。

生徒指導室の隣はトイレだが、あまり行きたくないし、何もなさそうなので、スルーした。

そのトイレの隣は、プールに続く階段があった。

「プールがあるみたいだけど、どうする?行く?」
「一応、大丈夫そうなら行こう?」
「わかった。」

私はゆっくり階段を上っていった。

プールは、25mプールで、まあまあ広かった。
でも、廃校だからか、プールの水はとても汚なかった。

何かが浮いていた。枯れ葉や、虫、ゴミなども浮いていたのだ。臭い匂いもする。

私はケータイのライトで隅から隅まで照らしていった。
すると、ゴミや枯れ葉などとは違うものが浮いていた。

私は近づいて見てみた。その瞬間、私は腰を抜かしてしまった。

そこにあったのは、人の死体だったのだ。

「きゃー!!!」

私はつい、悲鳴をあげてしまった。それも、校舎に響きわたる声で。

「秋穂!?どうしたの?!」
「ひ、人の、し、し、死体、が…」

私は気が動転していて、上手く喋れなかった。
「人の死体?!カメラで向けて!!」
私は頑張って震える手でカメラを向けた。

「ひっ…お、女の子の死体だ…」
自分から見たいと言った割にはビビっていた。

まあ、それもそうだろう。その死体は、もう腐敗しているし、その上、ずっとプールの水に浸かっていたので、ふやけている。

とても酷い光景だった。

すると、電話越しでシャッター音がした。
「何してるの?!」
「あぁ、ごめん。一応、証拠として残しておこうと思って…」
神谷くんが撮ったらしい。それにしても、何でこんな死体を撮ろうと思うのだろう。

「さっき、秋穂、悲鳴あげちゃったから、早くその場から離れないと、バレちゃうんじゃない?」

そう言えばそうだった。美希に言われて思い出した。

私は立とうとしたけど、腰を抜かしていて立てなかった。

そんなタイミングで足音が聞こえてきたのだ。

「うわ…。最悪…。」
「秋穂、どうしたの?早く立たないと…」
「腰抜かして立てない。でも、『鬼』来てる。」
「早く!!ヤバイじゃん!」