「栞奈ちゃん」

「へ??」

いつものお昼休み。

いつもの誰もいない部屋。

「ごめんけどそれ、上にあげてくれないかな」

頼まれたのは二冊の本だった。

この高さなら普通に私も届く。

「うん、いいよー」

私はその本を持ち上げようとした時

バタン!!

「っ、た…」

「栞奈ちゃん!!??」

慌てて悠大君が来る。

「大丈夫大丈夫、それよりごめんね、本…」

「大丈夫??怪我ない??」

「うんっ、大丈夫だよ」

「ほんとに??」

痛いところは分かってる。

「本当だよっ」

それでも、迷惑はかけたくなかった。

これ以上は無理だ。

肩が痛いなんて言ってられない。

「栞奈ちゃんホコリついてる」

そう言って悠大君は肩を叩いてくれたものの…

「いっ、」

つい声がでた。

「大丈夫!!??痛い??」

「す、少し…」

「ちょっと見せて??」

悠大君はそう言って私のブレザーを優しく脱がす。

そしてゆっくりと腕のシャツを上げていく。

「…なにこれ…」

悠大君は私の肩をじっと見る。

「あ、えっとね悠…」

「これ、さっきのじゃないよね。いつの??」

「…えっと…」

「…誰かに叩かれた??それともぶつけた??」

悠大君には…言っていいのかな…

「悠大君…」

「正直に言って??」

「…あの、ね…花野さんグループの人達に前、トイレで囲まれて…その時に、壁に肩…」

「…酷いな、これあんまだよ」

「…」

「保健室行ってないの??」

「うん…」

「今から保健室行こうか」

「だっ、大丈夫だよ!!」

「じゃあ、俺が手当してあげる。今から俺ん家来て」

「えっ、今から!!??」

でも午後の授業が…

すると悠大君は私の手をぎゅっと握って

「行こう」

と言った。