一斉にみんなが春を見た。
普通ならうつむくとかすみませんとかありそうな場面なのに、春はただポカーンとアホに口を開いて先生を見つめていた。

「なんだぁ山口?ガァガァ騒ぐなよー」
「とっ、トップって1位ですか!」

クラスがドッと笑いに包まれて、夏香は春の後ろでバカ…と呟いた。

「知らなかったのか?珍しいやつだなー。この前の中間でなー、とうとうトップだ」



そんなバカな話が!と、春は思う。
自分は真面目に授業を受けているのに下から数えた方が早くて、彼は1日中マンガを読んで過ごしているのに1位。



「腐ってる………」

机に突っ伏したままぐだを巻いた。